EAが動かない・エントリーしないときの修正は依頼できるか|原因の切り分けと費用の目安を開発元が解説

動かないEAのログから原因を切り分けて修正を依頼する流れを示した製図風のアイキャッチ
※免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。

EAをチャートに付けたのに動かない、エントリーしない、エラーが出て止まる。こうしたとき、設定の見直しで直るのか、コードの修正を依頼すべきなのかの判断がつかず、時間だけが過ぎてしまうことがあります。結論から書くと、動かない原因の多くは設定や環境の確認で見つかりますが、注文のエラーや想定外の注文内容がコードに由来する場合は、修正を依頼して直せる範囲です。本記事では、依頼の前に確認する点、ログで分かるエラーの意味、修正と作り直しの判断、依頼時に伝える情報、費用の目安を、当社 EA CreatorsLAB(ランサーズ「クリエイターズ開発室」EA部門)の立場で整理します。投資判断はご自身の責任で行ってください。

▦ この記事の結論
  • EAが動かない原因は、設定・環境・業者の取引条件・コードの不具合の4か所に分けて探すと切り分けやすい。
  • 最初に見るのはターミナルの「エキスパート」タブのログ。エラーの番号が分かれば、原因の見当がつく。
  • ロットや価格の単位、同じ足での連続エントリー、配列の範囲外などはコード側の修正対象になる。
  • 依頼には、エラーのログ・起きる条件・期待する動きの3点を添えると、見積もりと修正が早く進む。
  • 当社の修正は1点10,000円からが目安で、ソースが無く解析が要る場合などはオプションで加算する(個別見積もり)。
目次

動かないEAの修正は依頼できるか

答えは、原因がコードにあるなら依頼できるです。ただし「動かない」という症状は、設定の見落としから業者の仕様の違い、コードの不具合まで原因が幅広く、依頼の前に切り分けておくだけで、費用も時間も抑えられます。

切り分けの出発点は、症状から原因の場所を絞り込むことです。代表的な症状を表にまとめます。

▦ 症状から探す原因の場所
症状 原因の多い場所 修正の依頼
EAを付けても何も起きない自動売買の許可、ログイン状態などの設定・環境多くは不要(設定の確認で解決)
発注時にエラーが出てエントリーできない業者の取引条件とEAのコードの噛み合わせ対象になりうる
想定と違うロットや価格で注文されるコード(桁数・単位の計算)対象になる
同じ足で何度もエントリーするコード(足の判定)対象になる
しばらく動いたあと突然止まるコード(配列やゼロ除算などの実行時エラー)対象になる
業者を変えたら動かなくなった業者の仕様(桁数・最小ロット・口座認証など)設定変更か修正のどちらか

自分で見つけられる範囲と依頼したほうが早い範囲

設定や環境が原因の場合は、チェック項目を順に確認すれば自分で解決できます。一方、ログに注文のエラーが出ていたり、ソースコードの中の計算や条件文に原因がありそうな場合は、コードを読んで直す作業が要るため、依頼したほうが早く確実です。

修正の依頼に向いているEAの出どころ

修正の依頼を受けやすいのは、ご自身で作った、または制作を依頼して作ったEAで、ソースコード(mq4やmq5のファイル)が手元にあるものです。購入したEAや譲り受けたEAは、権利と規約の確認が先に必要です。ソースが無いEAの扱いはmq4ファイルがないEAは改造できるかで詳しく書いています。

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修正を依頼する前に確認する設定と環境

最初に確認したいのは、EAが動く条件がそろっているかです。ここで見つかる原因は意外に多く、依頼する前に確認しておけば、不要な費用をかけずに済みます。

ターミナル側の設定

MT4の上部にある自動売買のボタンが有効(緑の再生マーク)になっているかを確認します。無効のままだと、どのEAも売買できません。あわせて、MT4にログインできていること(右下の接続状態の表示)と、チャートが最新の価格で動いていることも見ます。

EAごとの設定

チャート右上のEA名の横に、顔のマークが表示されています。笑顔になっていれば、そのEAは動作できる状態です。マークが無い、あるいは停止の表示になっているときは、EAの設定画面で「自動売買を許可する」にチェックが入っているかを確認します。外部のDLLを使うEAでは、DLLの使用の許可も必要です。

入力パラメータの値も確認します。ロットが業者の最小ロットを下回っていたり、時間帯の指定が現在の時刻と合っていなかったりすると、EAは正常でも売買が起きません。時間帯で売買を絞るEAのサーバー時間の考え方は、時間指定で売買するEAは作れるかで扱っています。

口座・業者・稼働環境の条件

口座の条件も売買に影響します。両建てができない口座、EAによる売買を制限している口座、1通貨ペアの保有数に上限がある口座では、EAの動きと業者のルールが噛み合わずエラーになります。口座認証つきのEAは、別の口座で動かすと認証で弾かれるため、認証の仕組みも確認が要ります(仕組みはEA口座認証の実装方法で解説しています)。

VPSなどの稼働環境では、MT4が落ちていないか、回線が切れていないかも原因になります。環境の選び方はEA運用向けVPSの選び方が参考になります。

ログで分かるエラーの意味と原因の見当

設定が正しいのに動かないときは、ログを読むのが最も確実な手がかりになります。MT4は、EAが発注に失敗した理由をエラー番号つきで記録しており、番号から原因の見当がつきます。

EAが動かないときにログのエラー番号から設定・業者の条件・コードの不具合へ切り分けていく流れの製図風イラスト

「エキスパート」タブの見方

MT4の下部にあるターミナルの「エキスパート」タブに、EAの動作ログが日時つきで並びます。発注に失敗すると、失敗した時刻と、エラーの内容を示す番号やメッセージが出ます。ログのファイルは、MT4のデータフォルダ内のMQL4/Logsにも日付ごとに保存されるため、あとから遡って確認することもできます。

発注で多いエラー番号

発注のエラーのうち、相談で目にする頻度が高いものを表にまとめます。番号と意味はMT4の標準の定義に基づきます。

▦ 発注で多いエラー番号と原因の見当
番号 意味 多い原因 直し方の方向
130無効なストップ損切り・利確が現在値に近すぎる業者の最小距離を取得して離す
131無効なロット最小ロットや刻みに合っていない業者の条件に合わせて丸める
132市場が閉まっている取引時間外の発注取引時間の判定を足す
134証拠金不足ロットに対して余剰証拠金が足りないロット計算と事前チェックを見直す
138リクオート発注価格が古く、約定価格と合わない最新価格で再発注し、許容スリッページを設ける
148注文数が上限に達した保有と待機注文の合計が業者の上限を超えた最大注文数の制御を足す
149両建ての禁止両建てができない口座での逆方向の発注口座条件に合わせて売買の組み立てを変える
4109取引が許可されていないEAの「自動売買を許可する」がオフ設定の変更(コードの修正は不要)

この表で重要なのは、同じ症状でも、設定で直る番号とコードの修正が要る番号が混ざっている点です。4109のように設定で直るものもあれば、130や131のようにEAのコードが業者の条件を取得していないことが原因のものもあります。後者は、業者を変えたときに突然起きやすいエラーです。

EAが止まる実行時エラー

発注のエラーとは別に、コードの実行そのものが失敗するエラーもあります。ログに「array out of range(配列の範囲外)」や「zero divide(ゼロでの除算)」と出る場合がそれで、コードの書き方に原因があり、EAが止まる原因になります。履歴が少ない時期の指標値を参照した、計算の分母が0になる場面を想定していなかった、といったことが典型です。

こうしたエラーは、設定を変えても直りません。ログに出た行の位置(行番号と列番号)を控えて、修正の依頼に添えると、原因の箇所を特定する時間が大きく短くなります。

コードの不具合として多い3つのパターン

エラーが出ないのに「想定と違う動き」をする場合は、売買ロジックの書き方に原因があることが多く、桁数・ロット・足の判定の3つが代表的です。

桁数とpipsの換算ミス

FXの価格は、業者によって小数点以下が3桁・5桁など異なります。コードの中で価格の最小単位(ポイント)とpipsの換算を固定の値で書いていると、桁数が違う業者に移ったときに損切り幅や利確幅が10倍や10分の1になってしまいます。「業者を変えたら損切りが極端に近く(遠く)なった」という症状は、ほぼこの換算の問題です。

ロットとストップレベルの扱い

ロットは、業者ごとに最小値・刻み・最大値が決まっています。コードがこれらを取得せず固定値で計算していると、131のエラーや、意図しない大きさのポジションになります。損切り・利確についても、現在値から一定以上離す決まり(ストップレベル)を考慮していないと、130のエラーで発注が通りません。業者の条件をコードの中で取得して使うのが、業者を変えても動くEAの基本です。

足の判定の誤りによる連続エントリー

「同じ足の中で何度もエントリーしてしまう」症状は、新しい足が始まったかどうかの判定が正しく書かれていないことが原因です。EAは価格が動くたびに処理が走るため、1本の足につき1回だけ判断する仕組みを入れていないと、条件を満たし続けている間は発注を繰り返します。ここは修正の依頼でも件数の多い項目です。

修正で済むか作り直したほうがよいかの判断基準

不具合の原因が分かっても、修正で済むのか、作り直しのほうが合理的なのかは別の判断になります。コードの状態によって、後者のほうが結果的に安く、安全になる場合もあるためです。

修正で済むケース

修正で済むのは、不具合の箇所が特定でき、他の部分に影響しにくい場合です。桁数の換算、ロットの丸め、足の判定の追加のように、局所的な直しで済むものが当てはまります。ログで原因の見当がつき、再現条件も分かっているなら、修正は短い期間で終わることが多くなります。

作り直しが向いているケース

一方、コードが長年の継ぎ足しで読みにくくなっている、同じ不具合が何度も形を変えて出てくる、元のロジックの意図が誰にも分からない、といった場合は、修正を重ねるよりルールを整理して作り直すほうが結果的に安定します。この場合は、仕様の洗い出しから始めるため、費用も修正より大きくなります。仕様の整理の方法はEA制作の仕様書はどう書くかで扱っています。

MT5へ移る機会に直す場合

MT4のEAをMT5に移したい、という理由で不具合の修正を同時に頼まれることもあります。MT4とMT5は注文の仕組みが違うため、移植と修正を同時に行うと、どちらの原因か分からなくなりやすいことに注意が必要です。先にMT4側の不具合を直してから移植する、という順番が基本で、移植の考え方はMT4のEAはMT5に移植できるかで整理しています。

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修正を依頼するときに伝える情報

依頼の精度を決めるのは、不具合を再現できる情報がそろっているかです。「動かないので見てください」だけでは原因の特定に時間がかかり、見積もりも幅の大きいものになります。

EAの修正依頼に添えるエラーログ・起きる条件・期待する動きの3点を並べた依頼シートの製図風イラスト

エラーのログと発生した状況

「エキスパート」タブに出ているエラーの行を、日時つきでそのまま共有してください。エラー番号と、その直前のログ数行があれば、原因の見当はほぼつきます。スクリーンショットでも構いません。合わせて、どの通貨ペア・時間足・業者で起きたかを伝えていただくと、業者の条件に由来する不具合かどうかを判断できます。

起きる条件と起きない条件

「いつも起きるのか、特定の時間帯や相場状況だけか」は、原因を絞る重要な手がかりです。デモ口座では動くが本番口座では動かない、業者Aでは動くが業者Bでは動かない、といった比較ができれば、業者の仕様の違いが原因だと早く判断できます。

期待する動きを数値で書く

直した結果が正しいかどうかは、期待する動きが決まっていないと判断できません。「損切りが10pipsになるはずが100pipsになっている」のように、期待する値と実際の値を並べて書くと、修正の確認がそのまま検証になります。

▦ 修正依頼に添える情報のチェック項目
  • EAのソース(mq4またはmq5のファイル)と、ex4またはex5のファイル
  • 「エキスパート」タブのエラー行(日時つき)
  • 起きた通貨ペア・時間足・業者名・口座の種類
  • 起きる条件と、起きない条件(デモと本番、業者の違いなど)
  • 期待する動きと、実際の動き(数値つき)
  • EAの入手経路(自作・制作依頼・購入・譲渡のいずれか)

EAの修正にかかる費用と進め方

当社の料金は、機能追加・修正1点で10,000円を基本とし、条件に応じてオプションを加える方式です。ランサーズ「クリエイターズ開発室」では、改造の見積もりを個別にお受けしており、金額は不具合の内容によって変わります。

▦ EAの修正を依頼した場合の料金
基本料金(不具合の修正1点。例:桁数の換算の修正) 10,000円
ソースが無くロジック解析を伴う場合 +10,000円
修正後のMQLソースの受け取り +5,000円
2〜3日の特急対応 +3,000円

不具合の数や、再現の難しさによって変わります。確定金額は見積もりでご確認ください。

費用が変わる要因

費用に影響するのは、不具合の数・再現のしやすさ・ソースの有無・元のコードの読みやすさの4点です。原因が1か所に絞れていて再現できる不具合は軽く、複数の症状が絡み合っていたり、特定の相場状況でしか起きなかったりするものは、原因を探す工程が増えます。外注全体の費用の考え方はEAの制作依頼はいくらかに、機能の追加を依頼する場合はEA機能追加はいくらでできるかにまとめています。

納品物と修正後の確認

納品物は、修正後のファイル・修正箇所の説明書・差分メモの3点が基本です。修正が終わったら、修正前と修正後で同じ期間のバックテストを並べて、変更点が動きにどう反映されたかを確かめると、直ったかどうかを判断しやすくなります。本番口座に戻す前に、デモ口座で一定期間動かして、エラーが再発しないことを見るのが安全です。

修正をお受けできない場合

お受けできるのは、ご自身が権利を持つEA、または著作権者の許諾があるEAの修正です。権利の考え方は依頼で作ったEAの著作権はどうなるかもご参照ください。次のような依頼はお断りしています。

▦ お受けできない依頼
  • 著作権者の許諾がない他人のEAの修正
  • 口座認証や利用期間の制限を外すことが目的の依頼
  • 配布元の利用規約が改変を禁じているEAの修正
  • 修正によって利益が出ることの保証を求める依頼

判断に迷う場合は、購入ページの記載や同梱の規約をあわせてお知らせください。確認のうえ、可否をお答えします。

動かないEAの修正依頼でよくある質問

EAが動かないとき、まず何を確認すればよいですか?
自動売買のボタンが有効か、MT4にログインできているか、チャート右上のEA名の横が笑顔のマークになっているかを確認します。そのうえで、ターミナルの「エキスパート」タブのログを見ると、原因の見当がつきます。
エラー130や131が出る場合、修正を依頼すべきですか?
業者の取引条件(最小の距離や最小ロット)をコードが取得していないことが原因であれば、コードの修正で直せます。業者を変えた直後に出たなら、この可能性が高くなります。ログの行を添えて相談してください。
業者を変えたらEAが動かなくなりました。直せますか?
多くの場合、直せます。原因は桁数の換算・最小ロット・ストップレベル・口座認証・サーバー時間のいずれかであることが多く、どれに当たるかをログと業者名から切り分けます。
ソースコードが無くても修正を依頼できますか?
ソースが無い場合は、元のファイルを直接直すことはできず、ルールの説明資料から同じ動きを作り直す形になることがあります。入手経路によって扱いが変わるため、詳しくはmq4ファイルがないEAは改造できるかをご覧ください。
修正と作り直しはどちらが安いですか?
不具合の箇所が特定でき、他に影響しにくいなら修正のほうが安く済みます。一方、継ぎ足しで読みにくいコードや、同じ不具合が繰り返し出るEAは、作り直したほうが結果的に安定する場合もあります。ログを見たうえで、どちらが合うかをお伝えします。
EAの修正にはいくらかかりますか?
当社の場合、修正1点で10,000円が基本で、ソースが無く解析が必要な場合は+10,000円などのオプションを加えます。不具合の数や再現の難しさによって変わるため、確定金額は見積もりでご確認ください。
修正したら利益が出るようになりますか?
利益をお約束することはできません。修正は、EAが意図したとおりに動くようにする作業です。ルール自体の優位性は、バックテストとフォワードの両方で慎重に見ていく必要があります。
修正の依頼にはどんな情報が必要ですか?
エラーのログ・起きる条件・期待する動きの3点と、可能であればソースのファイルです。通貨ペア、時間足、業者名もあわせて伝えていただくと、原因の特定が早く進みます。
▦ NEXT ACTION

まず「エキスパート」タブのエラー行を、日時つきで保存することから始めてみてください。エラー番号とその直前のログがあれば、設定の問題かコードの問題かの見当がつきます。当社 EA CreatorsLAB(ランサーズ「クリエイターズ開発室」EA部門)では、EA・インジの修正を含む改造を10,000円から個別見積もりで承っています。ご依頼・お見積もりは▶ ランサーズ「クリエイターズ開発室」のプロフィールからご連絡ください。

※ 本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入・売却を推奨するものではありません。FX取引にはリスクが伴い、投資元本を失う可能性があります。投資判断はご自身の責任において行ってください。記載の料金は当社のものであり、内容により変わります。

🛠
EA CreatorsLAB

現役のMQL開発工房。EAを開発・販売し、設計思想とフォワード成績を正直に開示することを設計の原則にしています。「作った本人が語る」一次情報をお届けします。

提供リソース: 既製EA 3本 (CatchGBPJPY / Multi-AUD Core / Twin Engine GBP、全てMT4専用、sys-tre.com 販売) / 制作サービス (ランサーズで受付・EA¥80,000〜・インジ¥15,000〜・改造¥10,000〜)

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